「町議・房子の逃走」
デジタル37分2018年
“父さんみたいな
負け犬になりたくない”
■あらすじ
鈴枝房子45歳、二児の母。駅前で70年続く仕出し屋「菊屋」の専務で、町議会議員を二期務めている。
最近、町に延びる鉄路の廃線が決定的になったことをきっかけに、子供たちの将来の進路を心配し、札幌に移り住むことを真剣に考え始めた。
開店休業状態の「菊屋」を清算し、店の土地を売却した資金で札幌にマンションを買う計画を立てる。
現在も書類上の菊屋・社長で、元リベラル系町長だった父を説得すべく動き始めるが…。
謎のディープ・エコロジストのバイクウーマンや、町に縁もゆかりもないのに突然、町議になった胡散臭い若者などが絡み合う中、房子の逃走計画は果たして…?
同時上映
「視る姉」デジタル26分2016年
“正しく生きたって
終わってるのよ、ニッポンは!”
■あらすじ
恭子は父が遺した駅前のクリーニング店を改装したカフェ&バーを一人で営んでいるが、繁盛していない。
恭子が商売下手なのは幼いころから霊感が強く、人の気持ちが読め過ぎるからだった。近所の老人相手に怪しげな「占い」をすることで、かろうじて生活している。
そこへ、2つ下の妹の房子が二度目の離婚をして出戻ってくる。姉とは対照的に社交的な妹は、店を切り盛りして客を集めるようになっていくのだが…。
霊感が強い共通点を持ちながらも正反対な人生を歩む姉妹に待ち受けるものとは…。
■制作現場
2作とも北海道教育大学岩見沢校の映像学科等の学生と、夏期集中講義の一環で吉雄孝紀が脚本・監督を務め、制作したデジタル映画。
学生スタッフに加え、吉雄がフリーディレクターとして仕事をしてきた道内テレビ等のプロ達も手弁当で応援スタッフとして加わり、技術を伝承している。
若者達にとってパソコン上での個人制作が主流となる中、共同作業による撮影現場は貴重な体験の場となっている。
また、低予算であっても、身近な舞台設定で自分たちに切実なテーマや、等身大の時代感覚を盛り込む“自主映画スピリッツ”とでもいうべきものも伝えたいというのが吉雄監督の狙いだ。
他に役者陣は、吉雄の映画制作を8ミリ映画時代から支えてきた常連メンバーや、道内の舞台で活躍するプロ達が制作意図に共感し、参加している。